11/30 緊急アクション第三次活動報告会&緊急政府交渉
第一部 緊急政府交渉
■支援を受けれない外国人の公的支援を求める政府交渉
【要請項目】①特別定額給付金10万円を支給してください。②就労可の在留資格を付与してください。③誰もが「屋根がある住まい」を確保できるようにしてください④誰もが生活保護を受けることができるようにしてください。⑤すべての難民申請者の生活を保障してください。⑥誰もが病院に行けるようにしてください。⑦生活支援制度へのアクセスを保障してください。⑧就学援助を、公立学校に通い経済的に困窮しているすべての子どもに適用してください。
【回答と所感】上記の要請は初めての要請内容ではない。3回目だった。しかし今日の回答も一歩の前進も見られない「ゼロ回答」だった。コロナ災害の影響は、国籍に関わらず致命的影響をもたらしている。国境封鎖や諸般の事情により帰国できない短期滞在者、難民申請者、仮放免者などの非正規滞在者は「働く事が許されていない」収入の手段を奪われ医療を受ける権利さえ認められていない。日本政府は安い労働力として使うため外国人を入国させておきながら、技能実習生のサポートや受け入れ企業の監督は民間に任せきりだ。実習生がひどい扱いに耐えられず失踪したら、不法滞在だと摘発する。企業もコロナ禍で困ったら真っ先に切り捨てる。技能実習生として来日、肉体労働や工場労働、月8万円~10万円の低賃金で働かせて、例えば、用意されたアパートの家賃と共益費や水道光熱費含めて6万円が徴収される実態、これでは働き続ける事ができないと搾取工場から離脱した段階で、「生存権」が奪われ、極度の貧困に陥り、国に帰る事すらできない。今日の政府回答は困窮する外国人に対して「何の対策も検討していない」事が露呈された。反貧困ささえあい基金や移住連基金から6000万円以上の生活給付金で繋いできた命、政府は命を繋ぐ「共助」に丸投げして「公助」を頑なに拒絶し続けている。
■住まい・生活保護分野政府交渉
【要請項目】①住居確保給付金の支給期間について、最長9ヶ月までとなっている上限を見直し、少なくとも1年間としてください。②年末年始に向けてホテルなどを活用した緊急宿泊支援の実施を東京都以外でも拡大してください。確実に泊まれるよう相談ダイヤルなどの広報と食料支援も実施してください。③住居のない人が生活保護申請を行った際には居宅保護の原則にのっとり、一時利用住宅の提供、その後、速やかにアパート入居ができるようにして下さい。④コロナ禍での特例措置として、生活保護の要件緩和をおこなってください。
【回答と所感】回答は厚労省、前向きな話し合いとなった。①についてはこの間の報道にあるように、田村厚労大臣も支給期間の延長に前向きであるとの回答なので、早期の決定を促した。②については東京都内以外の他県でもホテル、若しくは準じる宿泊施設の提供、相談したくても、相談場所が解らなかったり、相談しても入れなかった人が続出する事がないよう広報活動の強化や、確実に泊まれるよう相談ダイヤルの設置、年末年始に相談会を実施する民間支援団体との連携を厚労省がリーダーシップを発揮して具体化する事を重ねて要請した。③については、以前より首都圏の大半の各自治体福祉事務所では、住まいを失ったり、ネットカフェで過ごすなど安定した住まいを持たない人が生活保護の申請を行った場合、アパート入居を認めず、一方的かつ機械的に無料低額宿泊所へ入所させる形での運用がほとんど、加えて、長期間にわたって無料低額宿泊所に入所させておくケースが常態化している。入所させた無料低額宿泊所の実態を福祉事務所が充分に把握する事なく、多額な施設料徴収による自立の阻害、集団生活や施設内労働の強要なども報告されている状況です。無料低額宿泊所の実態把握を厚生労働省が責任を持って実施してください。自立阻害、人権侵害行為の有無など、施設利用者のヒアリングを実施し、内容を公表するよう要請しています。厚労省が通知で終わらせるのでなく、定期的査察含め対応するよう求めました。④については、「扶養照会」がなされる可能性があることなどで、生活保護申請を諦めてしまう人が多くいます。親も貧困で頼れない、親との断絶状態が少なくありません。「家族」が急速に、セーフティネットとしての機能を失っている。コロナ禍での特例措置として扶養照会について廃止する事と住宅扶助やアパート入居費用の増額を求めています。
■第二部 新型コロナ緊急アクション第3次活動報告会
・事務局の瀬戸からの報告からは「反貧困ささえあい基金」の給付金額が四千万を超え、そのうち三千万円が外国人への給付であった事を報告、①女性からのSOSが急増している。瀬戸の直接SOS対応の25%が女性で80%以上が20代 ②一人暮らしの大学生の給付が急増している。「コロナ災害」により、バイト先の飲食店が潰れてしまい、家賃の支払いに困っている事例が多数寄せられている。他に、無料低額宿泊所、自立支援施設入所を生保申請受理の条件とされ、無低、施設の劣悪な状況に耐えられず、失踪(予定)者が相談者の三割を占める状況となっている、路上に居ただけで、生活保護申請者に対する疑い」「偏見」が差別的な運用に繋がりアパート転宅が阻まれる状況が頻発している。長期間の間、アパート転宅を認めない福祉事務所が増加している事などを報告した。
・今日は、埼玉県本庄市大恩寺のティック・タム・チーさん(在日ベトナム仏教信者会会長)がゲスト参加しました。タム・チーさんは、埼玉県のベトナム寺院大恩寺を拠点として食糧、帰国、葬儀、生活、医療などあらゆる面で在日ベトナム人の支援を行っている。多くがが早期の帰国を希望しているが、現在、ベトナムには定期旅客便が就航しておらず、高額な帰国費用を負担してチャーター便に乗り、帰国後の隔離期間の費用も自己負担となっている。民間支援の力でベトナムに帰国させている状況だ。必要とされる支援として①早期の帰国手配と援助②帰国までの最低限の生活の保障(住居、食料、医療)③新たな仕事先の斡旋、または在留資格を変更した上での就労(最低賃金の保障および貧困ビジネスとならない生活の保障)を求めていく必要がある。
事務局長 瀬戸 大作